現代実用国語辞典 クリーム版
常用字解
白川 静
平凡社 刊
発売日 2003-12-20
価格:¥2,940(税込)
オススメ度:★★★★
新しい文字学の体系・快哉を叫ぶべき書 2006-01-10
後漢の時代、許慎の著した『説文解字』は、長い間文字学の聖典とされてきたものであるが、その資料とするところは主として篆文であった。つまり、秦代の通用字形である篆文より古い字形の甲骨文字や金文は考慮に入れられてはいない。
著者は、『説文解字』の字形解釈には「誤りがはなはだ多く、ほとんど謎解きに近いものもある。」と記す。その理由は、許慎が「古い字形の甲骨文字や金文を見ることができ」なかったことと「漢字が成立した時代についての、古代学的知識の欠如」に拠ると記す。
そして、甲骨文字、金文という新しい資料の出現によって『説文解字』に代わる「新しい文字学の体系を作り出すことが可能となった」と慎ましく記す。
しかし、後漢の時代以来の聖典に代わる新たな権威ある体系を現に構築したということは、まさに快哉を叫ぶべきことと言える。
「漢字が成立した時代についての、古代学的知識」の豊かな土壌から萌え出すような解説は当該書籍の魅力であり、文字を介して遠い古代へ読者を誘うものともなっている。
さらに詳しい情報はコチラ≫